会報

会長あいさつ

一般社団法人
日本映画テレビプロデューサー協会
会長　 奥田 誠治

皆様いかがお過ごしでしょうか。 会員の皆さまそれぞれにおいてもプロデューサーとして大変な苦労をされた一年でした。そして今も日々、現状問題解決へ取り組んでおられると思います。本当にご苦労様です。
そのような中、今回の総会により私たち日本映画テレビプロデューサー協会も副会長・常務理事・理事に新しいメンバーが加わり、これまで以上に力を結集して協会を共に大いに盛り上げていきたいと思います。会員の皆さま何卒よろしくお願い申し上げます。
副会長には若泉さん（ＮＨＫ）尾崎さん（ＮＥＰ）が加わりました。またこれまでご活躍戴いた木田さんと山内さんは新しいポジションとして特別顧問に就任していただきました。そのほか常務理事、理事にそれぞれ新旧交代がありました。
昨年は新型コロナの影響により十分な活動ができませんでした。中止を余儀なくされた各委員会のイベントを今年は何とか実現したいと思いますが、もちろん今般のオリンピックのように開催すること先にありきではなくそれぞれの現状にあった展開を図っていかなければなりません。途切れることなく継続してきた会報委員会や昨年秋に開催できた親睦委員会での秋のゴルフ大会などがある一方、なかなか進まなかった組織強化、事業開発委員会や著作権委員会、そして課題が残っている総務委員会など、今期前向きに取り組んでいく所存です。皆さまのご協力をお願いします。
また、エランドール賞やセミナーカフェ、そしてアクターズ委員会では色々議論を交わしながら最終的にそれぞれイベントは中止になりました。エランドール賞では各新人賞が手渡しとなり委員の皆さまや各事務所、また日本映画放送さんや共同テレビさんには大変お世話になりました。ぜひ今期は上記の三つの委員会について万全な対応を考えながら実施できる方向になると良いと思います。
今年度も新型コロナが続く世の中です。しかしながら状況がどうなるか推移を見守りながらプロデューサー協会会員皆さまの力を結集してよりよき未来に向けて着実に動き出そうではありませんか。どうぞ引き続き会員の皆さまにはご協力いただければと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。

役員一覧

第45回 通常会員総会（2021年6月25日）
（一社）日本映画テレビプロデューサー協会
定　　款：理事25名以上35名以内
（会長1名、副会長6名以内、常務理事10名以内）監事3名
理事任期：2年以内　特別顧問、監事任期：4年以内

会長
奥田 誠治　松竹（株）

副会長
重村 一　（株）ニッポン放送
山田 良明　（株）共同テレビジョン
香月 純一　東映衛星放送（株）
若泉 久朗　日本放送協会
尾崎 充信　（株）NHKエンタープライズ

常務理事
富山 省吾　日本映画大学
吉田 繁暁　松竹（株）
藤澤 浩一　日本放送協会
那須田 淳　（株）TBSテレビ
蔵本 憲昭　（株）電通
小岩井 宏悦　ワーナーブラザーズ映画
椿 宜和　（株）KADOKAWA
伊藤 響　日本テレビ放送網（株）
保原 賢一郎　（株）フジテレビジョン
松崎 薫　（株）フジテレビジョン

理事
高橋 信仁　フリープロデューサー（松竹）
本間 英行　映像産業振興機構
加藤 拓　日本放送協会
山本 敏彦　（株）NHKエンタープライズ
山川 秀樹　（株）テレビ朝日
鈴木 早苗　（株）BS-TBS
稲田 秀樹　（株）テレビ東京
羽鳥 健一　（株）フジテレビジョン
白石 統一郎　（株）C.A.L
五十嵐 真志　（株）電通
名塚 新一郎　（株）エ・ネスト
玉川 静　（株）円谷ミュージック
渡辺 紘史　フリープロデューサー（NHK）
福家 康孝　日活（株）
遠藤 学　東宝（株）
加藤 正俊　日本テレビ放送網（株）

特別顧問
木田 幸紀　フリープロデューサー（NHK）
山内 章弘　東宝（株）

監事
工藤 英博（株）P・D・S
松尾 武　フリープロデューサー（NHK）
杉田 成道　日本映画放送（株）

事務局長
市川 哲夫　フリープロデューサー（TBS）

只今撮影中

松竹
阿部 雅人

「キネマの神様」

松竹映画100周年記念作品「キネマの神様」は、二度の公開延期を経て、8月6日にいよいよ公開いたします。1920年に松竹キネマ合名社が設立、数々の作品を創り出した蒲田撮影所が開所となり、昨年100周年目を迎えました。
松竹映画にとって大きな意義を持つ作品ということで、日本映画界を代表する山田洋次監督にタクトを振って頂き、当初2020年末に公開予定となりました。原作はアートを題材とした小説で絶大な人気を博す原田マハさんが2008年に書き下ろした同名小説に、山田監督が大胆な変更を加え、新たな映画「キネマの神様」へと昇華させ、原作者も絶賛の脚本が完成しました。
2020年3月、世の中の不穏な変化を感じながら何とかクランクインし、物語の過去パートにあたる部分から撮影を開始しました。舞台は1960年代の映画の撮影所。映画監督を志す若き日の主人公ゴウを菅田将暉さん、親友の映写技師をRADWIMPS野田洋次郎さん、撮影所近くの食堂の娘を永野芽郁さん、そしてスター女優を北川景子さんが演じ、夢と青春と愛にあふれた当時の撮影所をみずみずしく再現してくださいました。
3月下旬、撮影も折り返し、過去パートがまもなくアップし、現代パートへバトンタッチをしようという時期にダブル主演を務めて頂く予定だった志村けんさんが体調不良となり、新型コロナウイルスの感染が発覚し、突然の別れが訪れました。
程なくして、日本政府による緊急事態宣言が発出されて撮影中断へと山田組は追い込まれました。共演者・スタッフ一同らにとって予期せぬ突然の出来事でしたが、「ここで映画づくりを止めるわけにいかない、我々が本作を完成させることを志村さんはきっと望んでいる」と信じて、私たちは前を向き続け、歩みを止めませんでした。
撮影休止中に山田監督は脚本を再考し、志村さんの盟友である沢田研二さんが代役を務めてくださることとなり一筋の光明が差しました。沢田さんは志村さんの遺志を継ぎ、宮本信子さん、小林稔侍さん、寺島しのぶさんらとともに見事に沢田さんにしか生み出せない主人公ゴウを、大きな愛を持って演じきってくださいました。我々はいくつもの困難にぶつかりましたが、それでもいくつかの奇跡に巡り合うことができて本作を完成させました。松竹映画の歴史の集大成ともいえる作品であり、これからの松竹映画の未来へつながるバトンのような映画になると信じています。ぜひ皆様、思い入れのある劇場のスクリーンでご覧ください。

私の新人時代

フジテレビ
宮本 理江子

当時、ドラマのＤ（ディレクター）になるには五年ほどＡＤ（アシスタントディレクター）を経験するのが通常だった中、私は入社して二年目でディレクターを任されました。その年にヤングシナリオ大賞が設立され、その第一回大賞受賞者、坂元裕二さんの作品「ガールロングスカート」が最初の演出作品です。プロデューサーは河毛俊作と遠藤龍之介（前社長）。社内は「若い奴らになんでもやらせるぞ！」と言う空気で満ち溢れており、若手のＤ・Ｐ（プロデューサー）達が新しい面白いものを作ろうと奮闘していました。その波の一番端にいた私を先輩方が引っ張り上げてくれたのだと思います。
私は全く優秀なＡＤではありませんでした。ロケの車止めでは路線バスを止めて怒られたり、田中邦衛さんを迎えに行くのを忘れて2時間も待たせたり、とにかくドジで怒られてばかり。そして常に寝不足でした。ただ先輩Ｄの杉田成道、河毛俊作、永山耕三らの演出によって脚本や芝居がどんどん変化し、生き生きしていく様を見るのはとても刺激的でワクワクしたのを覚えています。
さて、タコＡＤの私は突然Ｄを任され途方にくれました。不安と恐怖にかられ逃亡したいくらいでしたが、思い切り強いフリをして現場に臨みました。そこにはプロの職人集団がいました。未熟な私をサポートする為に優秀で経験豊富な演出、技術、美術、ポスプロのスタッフが選ばれており、彼らはそれぞれの技術と愛情でなんとか私の個性を活かそうとしてくれました。
撮影中は自分でいっぱいっぱいだった私がその事に気づいたのは放送が終わって随分経ってからです。じわじわとスタッフのありがたみが押し寄せてきました。
それ以降今に至るまで、こだわりを持ったスタッフが私の一番の先生であり、視聴者であり、同志であると思っています。その人達の心に届く作品は観ている方々にも届くと信じて番組を作っています。

事務局だより

◎第45回通常会員総会報告

2021年6月25日（金）17時30分より、通常会員総会が東映本社８階会議室にて開かれました。昨年に引き続き、コロナ禍の開催となり会員各位には委任状をご返送いただき、ご出席を控えていただきました。
出席者（理事）と委任状で、開催要件の定足数に達し、総会は成立しました。各議案は滞りなく議決されました。定款の一部変更も承認され、役員の中に「特別顧問」が設けられました。その後、総会を中断し任期満了に伴う役員選任理事会（第１回定例理事会）が開かれました。
会長には奥田誠治さんが再任され、奥田会長指名の新役員も決定しました。
新しい顔ぶれは、本紙掲載の通りです。
そして、総会が再開され新・旧役員がそれぞれ挨拶をして、18時30分お開きとなりました。新体制になりましたが、会員の皆様には引き続き、ご協力の程よろしくお願いいたします。

インフォメーション

国際ドラマフェスティバル inＴＯＫＹＯ投票ハガキを同封します、奮って投票願います。

◎会議の記録

• 6月21日（月）　17時～　会報委員会（リモート）
• 6月25日（金）　17時～　第45期 第9回定例理事会（東映本社８階会議室）
• 6月25日（金）　17時30分～　第45回総会（東映本社８階会議室）
• 6月25日（金）　18時～　第46期 第１回定例理事会（東映本社８階会議室）

◎会議の予定

• 7月20日（火）　18時～　会報委員会（プロデューサー協会事務局）
• 7月26日（月）　18時30分～　第２回定例理事会（東映本社８階会議室）