No.516 2024年 7月号
バトンを託す強い思い‼~第48回通常会員総会を終えて
会長 奥田 誠治去る6月19日(水)東映のご厚意のもと東映本社会議室にて協会員みなさまとともに日本映画テレビプロデューサー協会の第48回通常会員総会を無事執り行なうことができました。
2023年4月1日~2024年3月31日における一般会務報告と事業活動報告をとおしてこれから改善すべき様々な問題点も総会出席の皆さまと共有・確認することができました。
昨年度は長きにわたって様々な活動を阻害してきたコロナ禍もやっと落ち着きそれまで規模を押さえて行われたり中止を余儀なくされてきたイベントが元に近い形で復活しました。まさにエランドール賞授賞式の本格的開催やアクターズセミナーがそれです。
今年の幹事、NHKチームによるエランドール賞は的確な運営とスピーデイーな展開が功を奏して京王プラザホテルで行われた表彰式は非常にメリハリのついた素晴らしいものとなりました。
一方様々な見地から一般客の入場は中止し協会新春パーティーの意味合いも今回はなくしましたがこれらは次回どうしていくのか引き続いての課題と思われます。
また三井不動産による会場提供のもとアクターズセミナーが日比谷ミッドタウンにて開催されました。河毛俊作監督のワークショップがフジテレビチームにより全力を挙げて行われました。参加者30名の若い役者たちのエネルギーが河毛監督の熱い思いと交錯し心に残るワークショップとなりました。
またデジタル編集委員会の交流サイトの開設では各社デジタルITに強い若手プロデューサーの協力のもとより良いものを目指してスタートできました。
国際ドラマフェスティバル2023への支援事業でも当協会はサポートを行いイベント成功に導きました。会報委員会や親睦委員会の活動はより充実したものとなりました。残念ながら諸般の都合によりプロデューサーズカフェは実現できませんでした。
今年度はより一層の充実を図り当協会の運営を素晴らしいものにしていかねばなりません。その中の一つとして会員増加対策があります。
在阪、在名および各ネット局や衛星放送、ネット配信各社の方たちからも会員を募っていきたいと思っております。
これから本協会の財政面や運営面での安定の為になぜ会員を確保しなけらばならないのか。私は単に会員を増やすだけではなくプロデューサーの思いをバトンにして渡していくのが本協会会員のもう一つの使命ではないかと思うのです。私のまわりの卑近な例としていくつかあげます。
30年以上前、山崎貴監督がまだ若手のころ、白組島村社長がやる気はあるが経験の全くない山崎貴に調布の新しいスタジオすべてを任せたこと。阿部秀司プロデューサーがそんな山崎貴に「ジュブナイル」初監督を託したこと。そして阿部秀司さんの遺志を受け継いで見事にゴジラ-1.0を花開かせたロボット・東宝のプロデューサー達。私が小学校3年の時に好きだったTVドラマ「風と樹と空と」制作の安田暉Pに日テレ就職のOB訪問で出会い様々な影響を受けた事。10年前に私の出身の中学OB会で初対面の少年に山崎監督を紹介、のちに大学生でありながらVFXの力を蓄え「シン・仮面ライダー」や「ゴジラ-1.0」CG制作を手掛けるようになりこの春大学卒業と同時に白組に入社した後輩三宅くん。
などなど。そしてこれ以上に会員皆さまご自身がいろいろな形で思いをつないでおられると思っております。会員を増やす作業はこうしたバトンを渡す思いをうまく伝えながら行っていきたいものだと思いました。
今年も皆様にご協力のもと本協会を運営したいと思っております。
何卒よろしくお願い申し上げます。
デジタル編集委員会発足一年
デジタル編集委員会
委員長 木田 幸紀昨年4月にデジタル編集委員会が発足して一年余りが経過しました。
放送局や映画会社から13名の委員が選出され、事務局とともに、会員専用交流サイトの運営や協会のデジタル化の方向性などを話し合ってきました。
昨年6月にスタートした会員専用交流サイトには、現在50名ほどの会員が登録しています。サイトでは、各委員のイチオシの作品に関する記事や、会報の一部の記事、協会のスケジュールなどを閲覧することができます。
会員の皆さんには、会報を通して登録の方法を周知したり、デジタル編集委員から声をかけたりしてもらいましたが、まだこのサイトの存在を知らない会員も多いようです。
プロデューサー協会の魅力の一つは、普段は映画やテレビのクレジットロールでしか知らないプロデューサーと直接知り合える機会があることです。会社の垣根を超えて知り合うことで、今まで知らなかった知識や経験を共有することができます。ただこれまでは、その機会はエランドール賞やアクターズセミナーといった協会のイベントの準備や実施の時に限られがちでした。
交流サイトに登録すれば、会員間では、相手のメールアドレスを知らなくてもいつでもメッセージのやり取りができます。会員専用ですから会員以外の人からメッセージを受け取ることはありません。登録した会員全員が読めるようにすることもできますし、1対1でやりとりすることもできます。数多くの会員が登録すれば、作品制作の知恵を共有することがとても容易になります。
会員交流サイトは、デジタル時代のコミュニケーションのスタイルです。ぜひ皆さんも登録してみてください。
登録するには、利用希望を事務局にメール申請すると、事務局から招待メールが届きます。指示に従って自分のメールアドレスとパスワードを登録するとアカウントが作成され、それを使ってパソコンやスマホからいつでもログインできます。
事務局のメールアドレスはinfo@producer.or.jp です。
現在、委員会では、この交流サイトとは別に、会員全員に一斉同報できるメール配信システムを検討中です。早く正確で、情報漏洩のないメール配信は、今後の協会運営の柱になっていくでしょう。システムが導入され次第、皆さんに周知したいと考えています。
コロナ禍を経て、日本社会も急速にデジタル化してきています。我々も、上手にデジタルを活用して魅力ある協会を実現していきたいと思います。会員皆さんのご理解とご協力をお願いします。
只今撮影中
ブラックペアン
TBSテレビ コンテンツ制作局 ドラマ制作部
佐久間 晃嗣6年ぶりに『ブラックペアン』が帰ってきました。
前作のキャストが再び集結! ただし主演の二宮和也さんが演じるのは、シーズン1の主人公・渡海征司郎ではなく、見た目は渡海に瓜二つの新たな天才外科医・天城雪彦。続編としては異例の、主人公を“交代〟してのシーズン2となります。
金と芸術をこよなく愛し、「ダイレクト・アナストモーシス」という手技ができる世界でただ1人の医師である天城。彼の手術を受けるには二者択一の“賭け〟に勝たねばならず、掛け金として全財産の半分を要求するという強烈なキャラクターです。
第1話の舞台はオーストラリア。天城に一通の手紙を渡すため、竹内涼真さん演じる世良雅志がオーストラリアに降り立つところから物語は始まります。
第1話の大半を占めるオーストラリアパートの撮影のために、ゴールドコーストで大規模ロケを敢行。現地観光局のご協力の下、最高級ホテルの上層階にあるカジノ特別室や、競馬場・ブリスベン空港・サーファーズパラダイスのビーチなど、日本では実現できないような場所で撮影を行うことができました。
そして何よりもご注目いただきたいのが、二宮さん演じる天城のキャラクター。ハイブランドのジャケットに身を包み、華麗で優美でチャーミング。フランス語を軽々と使いこなし、時には小洒落たジョークも飛ばすその様は、笑顔ひとつ見せなかったシーズン1の渡海とはまさに真逆。飄々と大学病院の人々を翻弄し、魅了していきます。今までに見たことのない、新たな二宮さんをお見せできると思います。
撮影も中盤に差し掛かり、キャストの皆さんの結束はさらに強まっています。スタジオの前室では、キャストやスタッフが「さっきのシーン、日曜劇場じゃなくて火ドラ(火曜ドラマの略)みたいじゃなかった?」「恋が生まれちゃうやつじゃん」などと笑い合い、和気藹々と撮影が進んでいます。火ドラみたい=まるでラブコメみたい?
なシーンは一体どんな内容なのか、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
驚いたのは、二宮さんが本番の直前まで冗談を言い合ったり、他愛の無い会話をしたりしていたこと。いざ本番となるとスイッチが入り、一瞬にして“天城雪彦〟がそこに現れます。二宮さんとご一緒するのは初めてなのですが、その繊細かつ大胆なお芝居に日々圧倒されています。
そんな二宮さんを再び主演にお迎えし、ワールドワイドにスケールアップしたメディカルエンターテインメント『ブラックペアンシーズン2』に、ぜひご期待ください。
私の新人時代
松竹株式会社 映像企画部映画企画室
西 麻美2009年に松竹に入社して最初に配属されたのが、テレビ部(現在はテレビ企画室)でした。
松竹といえば「男はつらいよ」で有名な映画会社ですが、実はテレビドラマの制作も行っていることを新入社員研修で知った私は、テレビ部の「現場第一! 現場をうまく回してこそ立派なプロデューサーである!」というような雰囲気が気に入り、希望して無事配属されたのでした。
配属後すぐに京都撮影所に行き、アシスタントプロデューサー見習いのような立場で「赤かぶ検事京都篇」というTBS系の連続ドラマの現場につくことになりました。当時はまだ働き方改革なんてものが存在しない時代…文字通り朝から晩まで現場に張り付き、誘導棒を振って車を止めては「誰の許可もらって撮影してんだ!」と怒られ、セットの中で立っていれば「邪魔だ‼」と当時いた(私から見たら)ヤ○ザみたいな照明部に怒られ、俳優部にサインを頼むタイミングを間違えては「今じゃない!」とマネージャーに怒られ…と、とにかく毎日怒られ続ける日々を送りました。
それでも未だにこの仕事を続けているのは、きっとそういう生活が性に合っていたからなのでしょう。撮影が終わった後、スタッフと飲むお酒の美味しさを知り、完パケた後の達成感を知り、OAを観て両親から「麻美の名前観たよ!」と連絡をもらう嬉しさを知り、気づけばどっぷりこの仕事の魅力に取り憑かれていました。
それから今年でもう15年。
映画の部署に異動になり、いくつかの作品を経て昨年末公開した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』も多くの方にご覧頂けて、続けて来て良かったなと、今この原稿を書くために新人時代を思い出しながら、柄にもなく感慨に浸っているところです。もう若手とは言えない立派な中堅社員ですが、あの頃のがむしゃらだった気持ちはずっと忘れることなく、これからも良い作品を作っていきたいと思っています(出来ればなるべく怒られることなく…だと嬉しいのですが)。
事務局だより
◎正会員入会
市野 直親(東海テレビ放送㈱)
井上 由紀(㈱BS日本)
都筑 真悠子(㈱テレビ東京)
小嶋 志和(㈱テレビ東京)
内藤 圭祐(東映アニメーション㈱)
松井 俊之(株式会社FRARE CREATER)
岡本 慶章(ユニオン映画㈱)
◎退会
阿部 真士(㈱テレビ東京)
清水 俊雄(㈱テレビ東京)
関 弘美(東映アニメーション㈱)
内堀 雄三(ユニオン映画㈱)
黒川 浩行(ユニオン映画㈱)
第48回通常会員総会報告
2024年6月19日(水)17時30分より通常会員総会が東映本社8階会議室にて開かれました。各議案は、滞りなく議決されました。
なお総会において、松尾武監事が退任され特別顧問に、木田幸紀特別顧問が監事に就任される人事が承認されました。
第76回 プロデューサー協会 親睦ゴルフ会結果
順 位 | 氏 名 | アウト | イン | G | H | N |
---|---|---|---|---|---|---|
優 勝 | 松尾 武 | 45 | 51 | 96 | 19.2 | 76.8 |
準優勝 | 杉田 成道 | 49 | 53 | 102 | 25.2 | 76.8 |
第3位 | 熊田 英明 | 51 | 47 | 98 | 20.4 | 77.6 |
第4位 | 玉川 静 | 42 | 48 | 90 | 10.8 | 79.2 |
第5位 | 香月 純一 | 50 | 51 | 101 | 21.6 | 79.4 |
インフォメーション
◎会議の記録
5月28日(火) 17時~ 第9回会報委員会 (リモート)
6月4日 (火) 18時~ デジタル編集委員会 (リモート)
6月19日(水) 17時~ 第11回定例理事会 (東映本社8階会議室)
6月19日(水) 17時30分~ 第48期通常会員総会 (東映本社8階会議室)
◎会合・会議の予定
7月16日(火) 17時~ 第一回会報委員会(リモート)
7月24日(水) 18時30分~ 第49期第1回定例理事会(東映本社8階会議室)